所長メッセージ
ご挨拶
全学共通教養教育センター所長
石倉 忠夫
みなさんは「リベラル・アーツ」という言葉をご存知でしょうか。日本では一般に「教養教育」と訳されますが、元来は「人間を自由にする学問」を意味しています。同志社の創立者である新島襄が学んだアーモスト大学は、アメリカのリベラル・アーツ・カレッジです。新島と親交のあった内村鑑三や札幌農学校教頭のW. S. クラークもここに学びました。学問は人間を自由にするものでなくてはなりません。一つの専門領域を究めることは大切ですが、世界の豊かな多様性に目を向けず、狭い価値観に安住しては、「リベラル」とは言えません。柔軟で強靭な知的好奇心をもって、様々な領域への越境を繰り返し楽しむことが、リベラル・アーツの学びです。
同志社大学において、裾野の広い学問分野にリベラルな知的好奇心をもって学ぶことのできる科目を提供し、常にその科目内容の点検と刷新を全学の教職員と協力しながら行っているのが全学共通教養教育センターです。同志社大学の教養教育は、今から150年近く前に設立された同志社英学校以来のリベラル・アーツの伝統を継承しながら、同志社大学が掲げる建学の精神「良心教育」を、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」という3つの教育理念に基づき、現代において展開しています。
全学共通教養教育センターが現在提供している科目には、従来の教養教育の枠組みを踏まえた科目の他に、建学の精神やキリスト教について学ぶ「同志社科目」、異なる文化的背景と価値観を持つ人々と協力し、国際社会で活躍するために必要な素養を身に付ける「国際教養科目」、学生自らがプロジェクトを企画し、課題の解決を通して多様な能力を身に付ける「プロジェクト科目」、文化、芸術を通して感性を磨き、クリエイティビティを高めて、新たな価値の創出へと導く「クリエイティブ・ジャパン科目」などがあります。刻々と変容する世界の中に、すぐれた国際感覚と豊かな教養を身につけ、この地球、世界、社会、人々に貢献できる人物、すなわち、「良心を手腕に運用する人物」を輩出できるよう、全学共通教養教育センターは全力を挙げて努めていきたいと考えています。
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